今から25年前にとても素敵な映画に出会いました。 長いスペイン生活も終わりを迎えようとしていた頃に見た映画ですが私にとって思い出が沢山詰まった映画です。
1980年の「Permanent Vacation」で脚光を浴びたジム・ジャームッシュ監督の
"ストレンジャー・ザン・パラダイス"
ハンガリーからニューヨークへやってきた若者3人が主人公の退廃的な映画。 全編モノクロでゆっくりと流れ行く映像と主役でもあるジョン・ルーリーのサックスがあの当時の私の心にしっかりと楔をうちつけた映画です。 日本を離れスペインで暮らした私達の生活と微妙にオーバーラップするのかもしれません。これから視てみたいと思う人たちのために詳しい内容は控えます。25年も前の映画を今を生きる若者が見たらどんな感想をもつのか興味深いところです。
この秋、フジテレビ系列で放映中の「不毛地帯」 この物語のエンディングテーマを歌っているのが「トム・ウェイツ」なのですが、彼こそジム・ジャームッシュととても深い関係があるのです。 ジム・ジャームッシュが監督した「ダウン・バイロー」やジョニーデップ主演の「デッド・マン」で主題曲を歌っているのが彼。独特の低音は一度聴いたら忘れられないほど強烈な個性の持ち主で「酔いどれ詩人」とも呼ばれています。
1981年から1984年にかけて、マドリッドで暮らしていた私は日本語や活字に飢えてて沢山、読書をしました。 その中でも山崎豊子の「不毛地帯」はとても印象深く心に残っています。 また、映画も沢山見ました。あの頃の懐かしい暮らしを偶然にも「不毛地帯」とトム・ウェイツの2点が私の心の奥より引っ張りだしてくれました。
長い年月を経て、今またあの頃の私の心を鮮明に思い出させてくれる映画や音楽がありました。 これからももっともっと沢山の素晴らしい作品に出会って、何十年後かに今の自分を懐かしく思い出せる日が楽しみです。